若かりしイ・ビョンホンの熱と韓流ブームを感じられる:『甘い人生』
キム・ジウン監督の『甘い人生』(2005)をAmazonプライムで観た。
ソウルの高級ホテルの総マネージャーを務めるキム・ソヌ(イ・ビョンホン)は裏社会を牛耳るカン社長(キム・ヨンチョル)から絶大な信頼を得ていた。カンには若い愛人ヒス(シン・ミナ)がおり、彼は彼女に別の男がいるのではないかと疑っていた。カンはソヌに自分が上海へ出張に行っている3日間の間に愛人のヒスの監視を依頼し、彼女が裏切っていればソヌが殺すか、自分に連絡するように命令する。命令通りヒスを監視するソヌは、次第に彼女の不思議な魅力に惹かれていく。ヒスと男の情事の現場を抑えるソヌだったが、ボスの命令に背き、事実を隠蔽する。しかし、そのことがボスにバレてしまい、命を狙われることになる...
冒頭部分の(上で載せた動画で確認できるが)閉店時間を過ぎているがなかなか帰らずに居座るゴロツキ3人に対して、イ・ビョンホン演じるソヌが「3つ数えるまでに出て行け」と忠告をする場面。当然ゴロツキたちは従うはずもないので、ソヌが暴力を振るうのだが、このアクションシーンはかなりスタイリッシュでよかった。
しかし、ラストの激しい銃撃戦に向けて同じボスの元で働きながら敵対しているムン・ソク(キム・レハ)や敵対する勢力のペク社長(ファン・ジョンミン)さらにはロシアの銃器密売団らが関わってくるあたりで話自体のまとまりがなくなってくる。そもそも、イ・ビョンホン演じるソヌがなぜここまでボスからひどい目に合わされなければいけないのかの理由づけだったり、ソヌとボスとの間の感情的な繋がりの強さなどの提示が弱いと感じてしまった。
アクションにおいてはスタイリッシュで観ていてとてもテンションが上がるのだが、脚本においては、説得力の弱い部分が結構目立っているように思った。